遺伝性腫瘍のつづきです。
遺伝性の大腸がんや腎がんをみていきます。
うめちゃんは採血で遺伝子検査できるかな?
イタイのやだやだギャンギャン!

家族性大腸腺腫症
大腸がん、胃がん、十二指腸がん、デスモイド腫瘍の生涯リスクが高まります。
前がん病変である大腸ポリープが数百から数千生じ(すごいですよね)、そこから大腸がんが発生する疾患です。
35歳までには95%でポリープが生じ、大腸を切除しない限り、大腸がんの発症は避けられず、多くの場合、40歳までに大腸がんに進展してしまうようです。
原因はAPC遺伝子の病的バリアントです。
リンチ症候群
大腸がん、子宮体がん、卵巣がん、胃がん、小腸がん、卵巣がん、腎盂(じんう)・尿管がんの生涯リスクが高まります。
以前は家族性非ポリポーシス性大腸癌といわれていましたが、大腸がんだけではないので、遺伝学者の大家であるLynch氏の名前から疾患名が命名しなおされました。
代表的ながんの生涯リスクは以下のとおりです。
大腸がん:52%-82%
子宮内膜がん:25%-60%
胃がん:6%-13%
卵巣がん:4%-12%
原因はMLH1, MSH2(and/or EPCAM), MSH6, PMS2遺伝子の病的バリアントです。
これらの遺伝子はDNAを修復するミスマッチ修復機構を担うタンパクをコードしており、リンチ症候群の腫瘍のほとんどに、ミスマッチ修復機構の破綻によって生じる高頻度マイクロサテライト不安定性=MSI-H(高頻度で1〜2塩基の繰り返し配列のミスコピーが生じている状態)がみられます。

ウィルムス腫瘍
腎芽腫は腎臓の胎生期がんで、小児期にもっともよくみられる腎腫瘍といわれています。
ウィルムス腫瘍は複数の疾患で共通する腫瘍で、デニス・ドラシュ症候群やフレイジャー症候群ではWT1遺伝子のミスセンスの病的バリアントが原因となっており、またベックウィズ・ヴィーデマン症候群では11p15.5領域の刷り込み異常が原因といわれています。
遺伝性乳頭状腎細胞がん
腎細胞がんのリスクが高まり(10〜16%)、ほとんどに皮膚平滑筋腫や子宮筋腫を伴います。
FH(フマル酸ヒドラーぜ)遺伝子の病的バリアントが原因といわれています。
REFERENCES
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情報にはバイアスがあるというのはまぁそのとおりなんですが、その情報を見る自分の目にこそバイアスがかかっているということに気付かされました。
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