【22】遺伝子バリアントとは(7)

基礎

こんにちは、よっぴです☺︎

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遺伝子バリアントの各論では、臨床的によくみられる重要なバリアントを紹介してきました。

最後の最後にマイナーかもしれない、でも知っておいてもよい、2種類のバリアントを紹介しておきます。


スタートロスバリアント

スタートコドンに塩基変化が起きることによって正常なスタートコドンが失われてしまうバリアントのことです。

野生型:ATG ATT(Met-Ile)

変異型:TTG ATT(?)

ATG:Met(メチオニン)

ATT:Ile(イソロイシン)

TTG:Leu(ロイシン)

すべてのタンパクのアミノ酸の開始コドン・スタートコドンはメチオニンと決まっており、メチオニンをコードする塩基もATGと一つに決まっています。

ATGのAがTに置換すると、コード上のアミノ酸はロイシンですが、開始コドンが決まらないと、フレームの始まりが決まらないため、そもそもこの3塩基がロイシンとは決まらなくなり、「?」となります(上記例の「?」は文字化けではありません)。

そうなると、周辺のATGのどれかが開始コドンとなって翻訳がはじまるため、翻訳のフレームが保たれていれば、タンパク質のはじまりがインフレームで挿入するか欠失してしまい、タンパク質の機能に影響する可能性があります。

また、翻訳のフレームが保たれなければまったく違ったタンパク質となる可能性があります。


ストップロスバリアント

ストップコドンに塩基変化が起きることによって正常なストップコドンが失われてしまうバリアントのことです。

野生型:TTG TGA ATT(Leu-*)

変異型:TTG TGT ATT(Leu-Cys-Ile )

TTG:Leu(ロイシン)

TGA:*(ストップコドン)

TGT:Cys(システイン)

ATT:Ile(イソロイシン)

すべてのタンパクのアミノ酸は終止コドン・ストップコドンにより終結し、終始コドンはTGA,TAA,TAGの3つに決まっています。

TGAのAがTに置換すると、ストップコドンではなくなり、システインとなります。ストップコドンではなくなるため、更にタンパク合成が進んで、次にIleが合成されるようになります。

そうなると、タンパク質が正常よりも長くなり、そのことによりタンパク質の機能に影響する可能性があります。

上記のスタートロス・ストップロスはミスセンスと呼んでよいかどうかが難しいところですが、スタートコドンとストップコドンはタンパク質にとって非常に重要な配列のため、知識として知っておいてもがよいでしょう。

また、これらは遺伝性疾患でも頻度は少ないですが、遭遇することがあります。

以上、長いテーマになりましたが、遺伝子バリアントの概念、分かってもらえましたか?

各遺伝子バリアントには具体的な命名方法があり、また次の機会にとりあげたいと思います。


うめちゃん覚悟しときやー

きゃいーん


REFERENCES

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK21955/

An Introduction to Genetic Analysis. 7th edition.
How DNA changes affect phenotype

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK6510/

All Termination Events Are Not Equal: Premature Termination in Yeast Is Aberrant and Triggers NMD
Nadia Amrani and Allan Jacobson.

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