遺伝子バリアントの各論の最後です!
最後はスプライスサイトバリアントです。
スプライスサイトやでー
スプライト!
それはジュースやろ!
スプライスサイトバリアント
スプライスドナーサイトやスプライスアクセプターサイトの塩基置換によりスプライシング異常が起こるバリアントです。
野生型:エクソン1/GT–イントロン1–AG/エクソン2/GT–イントロン2–AG/エクソン3
↓(正常なスプライシング)
エクソン1/エクソン2/エクソン3
変異型:エクソン1/AT–イントロン1–AG/エクソン2/GT–イントロン2–AG/エクソン3
↓(異常なスプライシング)
エクソン1/エクソン3
スプライスサイトはGT-AG則といわれるくらいに保存性が高く重要なシグナル配列なので、覚えておいてもよいと思います。
塩基置換や欠失・重複によってこのスプライトのGT-AGの配列が乱されることにより、正常なスプライシングが妨げられます。
ではスプライシングが妨げられるとどうなるのでしょう?
上記の例であればmRNAからエクソン2の配列がなくなってしまいます。
エクソン2の配列の数が3の倍数であればフレームシフトは起こらず、たとえばエクソン2が300塩基であれば、それにあたる100アミノ酸が欠失します。
これをインフレーム欠失といいます。
また、エクソン2の配列が3の倍数でなければ、フレームシフトが起き、エクソン3以降のアミノ酸の読み枠がずれることにより、アミノ酸配列が変わり、いずれどこかでストップコドンが発生して、NMDによってmRNAが減衰するか、タンパク質がトランケーションして機能喪失します。
このスプライトバリアントも、多くの遺伝性疾患の原因のひとつとして知られており、遺伝子を調べる上ではチェックしておくべき重要なものです。
REFERENCES
An Introduction to Genetic Analysis. 7th edition.
How DNA changes affect phenotype
All Termination Events Are Not Equal: Premature Termination in Yeast Is Aberrant and Triggers NMD
Nadia Amrani and Allan Jacobson.
Genomes. 2nd edition.
Chapter 10 Synthesis and Processing of RNA
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