【18】遺伝子バリアントとは(3)

基礎

こんにちは、よっぴです☺︎

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遺伝子バリアントの各論に入っていきます。

まずは塩基配列の変化のうちの塩基置換により、タンパク質のアミノ酸が置換するものと置換しないものをみていきましょう。

一般的にあまりよく知られていない、塩基置換のタンパク質のアミノ酸置換以外の影響についても学べる内容になっています。

アミノ酸置換てわかる?

アミノサンチカン???


サイレント/同義バリアント(Synonymous Variant)

前回書いたように、塩基置換によりアミノ酸置換が起こらないバリアントのことを、サイレントバリアント/同義バリアント(Synonymous Variant:シノニマスバリアント)といいます。

 野生型:TGT(Cys:システイン)

 変異型:TGC(Cys:システイン)

塩基配列は3文字で1つのアミノ酸を意味していて、それをコード(暗号化)している、というので、アミノ酸配列を規定する領域・特にエクソンはコーディング領域といわれます。

TGT=Cys(システイン)をコードしていますが、3つめの塩基TがCに置き換わっても、TGC=Cys(システイン)です。

なので、アミノ酸置換が起こらないバリアントのことをサイレントバリアントといいます。

しかしながらサイレントバリアントというと、「タンパクの機能に影響が無い」かのような先入観がはいってしまうので、最近はSynonynmous Variantの方がよいだろうという風潮になっています。

え?サイレントだからタンパクの機能に影響がないんじゃないの?って思うと思いますが、タンパクの機能に影響するものがあるんです。

なんでしょう?

その答えは、ミスセンスバリアントの後にお話しましょう。


ミスセンス/非同義バリアント(Non-Synonymous Variant)

 塩基置換によりアミノ酸置換が起こるバリアント

 野生型:TGT(Cys:システイン)

 変異型:TGG(Trp:トリプトファン)

TGT=Cys(システイン)をコードしていますが、3つめの塩基TがGに置き換わると、TGG=Trp(トリプトファン)です。

アミノ酸置換が起きるバリアントのことをミスセンスバリアント(ミスセンス=意味が変わる)といいます。

同様にミスセンスバリアントというと、「タンパクの機能に影響がある」かのような先入観がはいってしまうので、最近はNon-Synonynmous Variantの方がよいだろうという風潮になっています。

たとえば300アミノ酸からなるタンパク質のなかの1つのアミノ酸が変化してもタンパク質に影響するのかどうか、という話です。

タンパク質の機能にとって重要な領域でのアミノ酸置換はタンパクの機能に影響することがありますが、重要でない領域でのアミノ酸置換はタンパクの機能に影響しないことがあります。

また、Synonymous Variantと同様に、Non-Synonymous Variantでタンパクの機能に影響しないような領域にあるアミノ酸置換でも、タンパクの機能に影響することがあります。


Synonymous/Non-Synonymous Variantのアミノ酸レベル以外の影響

塩基置換によってアミノ酸置換が起こる・起こらないにかかわらず、タンパク質の機能に影響することがあります。

まず前提として、セントラルドグマは下記のような流れです。

 ゲノム

  ↓(転写)

 プレmRNA

  ↓(スプライシング)

 成熟mRNA

  ↓(翻訳)

 タンパク質


アミノ酸置換は翻訳後に影響しますが、塩基置換はどこに影響するでしょう?

それはスプライシングです。

一般的にスプライシングに影響するのは、エクソンとの境界のイントロンにあるスプライシングサイトである、ドナー、アクセプターサイトがメジャーですが、これはエクソンではなくイントロンの話です。

エクソンでの要因は大きく分けて3つあります。

1つ目として、そのスプライシングサイトが、エクソン内の塩基置換によって誤ってエクソン内に上記のスブライスサイトができてしまい、そこがシグナルとなってスプライシング異常が起きてしまうということがあります。

2つ目として、スプライシングドナー、アクセプターサイトと隣接するエクソン内(エクソンのはじめとおわり)もスプライシングのシグナル配列として働いていることがあり、エクソンのはじめやおわりの配列に塩基置換があると、スプライシング異常を起こしてしまうことがあります。

3つ目として、スプライシングを制御する配列は、イントロンのスプライシングサイトだけでなく、エクソン内にもあるということがあります。

エクソン内にはスプライシングを正に制御するExonic Splicing Enhancer(ESE)と、負に制御するExonic Splicing Silencer(ESS)があります。

そのうちのスプライシングを正に制御するESEの配列で塩基置換が起きてしまい、そのESEの機能が失われると、正常なスプライシング妨げられて異常な成熟mRNAがつくられてしまうことにより、異常なタンパク質の翻訳に繋がってしまうことがあります。


最後はちょっとマニアックな内容やったけど、分かったかな?

ぎゃうんぎゃうん!


REFERENCES:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK21955/

An Introduction to Genetic Analysis. 7th edition.
How DNA changes affect phenotype

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK21132/

Genomes. 2nd edition.
Chapter 10Synthesis and Processing of RNA

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