いよいよ遺伝子バリアントの話です。
典型的な遺伝子バリアント
典型的な遺伝子バリアントを以下に挙げます。
・サイレントバリアント/同義バリアント(★Synonymous Variant)
塩基置換によりアミノ酸置換が起こらないバリアント
野生型:TGT(Cys:システイン)
変異型:TGC(Cys:システイン)
・ミスセンスバリアント/非同義バリアント(★Non-Synonymous Variant)
塩基置換によりアミノ酸置換が起こるバリアント
野生型:TGT(Cys:システイン)
変異型:TGG(Trp:トリプトファン)
★Synonymous:シノニマスと読む
・ナンセンスバリアント
塩基置換によりストップコドンが発生するバリアント
野生型:TGT(Cys:システイン)
変異型:TGA(*:ストップコドン)
・フレームシフトバリアント
塩基欠失や塩基挿入によりアミノ酸の読み枠がシフトする(ずれる)バリアント(結果的に正常と違うタンパクが合成され、正常よりも短い(長い)タンパクとなる)
野生型:TGTA
変異型:TGA(*:ストップコドン)
・スプライスサイトバリアント
スプライスドナーサイトやスプライスアクセプターサイトの塩基置換によりスプライシング異常が起こるバリアント
野生型:エクソン1/GT–イントロン1–AG/エクソン2/GT–イントロン2–AG/エクソン3
↓(正常なスプライシング)
エクソン1/エクソン2/エクソン3
変異型:エクソン1/AT–イントロン1–AG/エクソン2/GT–イントロン2–AG/エクソン3
↓(異常なスプライシング)
エクソン1/エクソン3

慣れないと難しいかもしれませんが、まずはこういった種類のバリアントがあってそれぞれが意味することを簡単に理解しておきましょう。
呼び方が複数あるので、そういったことも把握しておくとよいかもしれません。
次は各バリアントをより詳しくみていくでー
きゃんきゃん!
REFERENCES:
An Introduction to Genetic Analysis. 7th edition.
How DNA changes affect phenotype
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