それではヒトの身近な遺伝をもう一度みてみましょうか。
ヒトの身近な遺伝
下記のそれぞれの形質が優性遺伝か劣性遺伝かどちらか分かりますか?
富士額/平額
二重まぶた/一重まぶた
福耳/平耳
舌を巻ける/巻けない
親指が反る/反らない
つむじが右巻き/左巻き
腕を組む時に右腕が上/左腕が上
いずれも実際に参考書や科学雑誌などに、左の形質が優性遺伝かのように掲載されているようですが、実はこれらの形質が単一遺伝子で決定されるというエビデンスはなく、迷信だということです!
これらはまだ遺伝学が進んでいないころに調べられて、可能性について言及されていたようですが、それがなぜか今日、確定的に優性/劣性の事例として例示されるようになってしまっているようです。
デラウエア大学のマクドナルド氏が「Introduction to the myths」という題名で「神話だ」と書かれています。
よっぴが調べても調べてもエビデンスが出てこないわけですね。
二重なんかは、ぼくは親戚に「誰々の二重は誰々からの遺伝やで、優性遺伝やから」的なことを話したことがあります・・・。
二重まぶたは遺伝しやすい傾向にはあるようですが、単一遺伝子による優性遺伝では説明できず、多因子遺伝だったようですね・・・エビデンスも調べず、反省です。

一般的な目に見える形質だと、エビデンスにより単一遺伝子による遺伝が説明できるのは下記の形質ぐらいのようです。
血液型A型/B型/O型:ABO遺伝子(不完全優性)
耳垢が湿り気味/カサカサ:ABCC11遺伝子(優性)
飲酒できる/できない:ALDH2遺伝子(不完全優性)
次からは、形質を決める遺伝型・遺伝子型のことがもっとわかるように、遺伝子バリアントをテーマにするでぇ
いでんしばりあんと???
McDonald JH Introduction to the myths
ABO ABO, alpha 1-3-N-acetylgalactosaminyltransferase and alpha 1-3-galactosyltransferase [ Homo sapiens (human) ]
ABCC1 ATP binding cassette subfamily C member 1 [ Homo sapiens (human) ]
ALDH2 aldehyde dehydrogenase 2 family member [ Homo sapiens (human) ]
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