ヒトの遺伝子の数はいくつぐらいあるか知っていますか?
ワン!
グー!
3.遺伝子の数
ヒトゲノム上に遺伝子は20,000-25,000あるといわれています。
2001年にヒトゲノム配列が読了され、2004年頃までに実際の遺伝子数がわかってきました。
タンパク質は10万種類以上あるといわれているため、従来は遺伝子も10万以上あるともいわれていました。
しかし、それよりも4分の1しかない、ということです。
なぜそんなに少ないのでしょうか?
それは、1つの遺伝子から複数のタンパク質ができるからです。
それでは、どうやって1つの遺伝子から複数のタンパク質を作ることができるのでしょうか?
それは、遺伝子の構造やそこから転写されたmRNAの成熟プロセスを知ることで説明できます。
4.遺伝子の構造
遺伝子の構造はおおまかに下記の領域で構成されています。
①プロモーター
②エクソン
③イントロン
④3’UTR

4.1プロモーター
プロモーターは遺伝子の転写を調節する領域です。
様々な転写を調節するタンパク質(転写因子)によって転写が調節されています。
RNAポリメラーゼが結合して転写が開始します。
4.2エクソン
エクソンは主にタンパク質をコードする領域です。
コーディング領域は開始コドンで始まり終始コドンで終わります。
開始コドン:ATG
終始コドン:TGA, TAA, TAG
ですが、タンパクをコードしないエクソンもあります。
タンパクをコードしないエクソンは、ノンコーディングエクソンと呼ばれています。
4.3イントロン
イントロンはノンコーディング領域です。
ゲノム上でエクソンはとびとびに存在しており、このエクソンとエクソンの間にある配列がイントロンです。
イントロンはmRNAの成熟過程でスプライシングによってmRNAから切り取られてなくなります。
4.4 3’非翻訳領域(3’UTR)
最終エクソンの終始コドンより3’側の配列は3’非翻訳領域(3’UTR)といわれています。
mRNAの安定性にかかわる領域として知られています。
miRNA(マイクロRNA)などが結合して遺伝子発現を調節するといわれています。
以上、遺伝子のおおまかな構造をみてきました。
では、どのようにして1つの遺伝子から複数のタンパク質を作ることができるのでしょうか?
その秘密はスプライシングの多様性にあります。
つづく・・・
REFERENCES

International Human Genome Sequencing Consortium Nature. 2004 Oct 21;431(7011):931-45.
Molecular Cell Biology. 4th edition.
Section 10.4Regulatory Sequences in Eukaryotic Protein-Coding Genes
Molecular Cell Biology. 4th edition.
Section 11.3Regulation of mRNA Processing
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